ブレーキの音

キギィィイー。ご年配の方は、ご自分が操る自転車のブレーキがけたたましく甲高い音を立てるのに、なぜ、あそこまで無頓着でいられますか?

「年齢にしたがって聴力に衰えが現れ、高周域の音が聞こえにくくなります。ですから、あまり気にならないのです。」

そういう理由もあるのでしょうが、あれは気にならないのではなく、わざとなのではないでしょうか。ブレーキの音で自転車の通行の邪魔になっていることに気づいてもらうために音を出しているのではないかと。

それなら、ベルを鳴らせばいいではないか。そう思うかもしれません。しかし、突然ベルを鳴らされると、なんだかムッときませんか?ベルは、運転者が意思を持って操作をします。つまり、口ではっきり「どけ!」と言っているようなものです。そう、あまりにもはっきりした主張では、角が立つのです。

そこでブレーキをかけ、ブレーキのきしみ音を出します。きしみ音は減速をする時に出てしまうものであり、運転者の主張はまったく無いもののハズなのです。
主張によって相手が反発することなく、気持ちよく通行させてもらうよう、気づいてもらうのです。「ベル代わりのブレーキ音」それは人生経験豊かな年配者ならではの、円滑な渡世術といったところでしょうか。私たちも見習いたいものです。

しかし、必要以上にブレーキの音をけたたましく鳴らすご年配の方もよく見かけますね。レバーをどのくらい握れば音が大きく鳴るか、握り加減を心得ているご様子。「減速のためのブレーキの音」ということを隠れ蓑にして、過度な主張を楽しんでいます。

こういった方には今後、身の程をわきまえてもらうために、厳しく制裁を加え注意しましょうよ。ね?そうしましょう。