元は違った意味の日本語 破天荒

意外と間違えやすい日本語 「破天荒」「失笑」「舌つづみ」 (ガジェット通信)

<なりふり構わずケンカをふっかけて、ほんと破天荒な性格だよね>

 平成ノブシコブシ・吉村崇(32才)の"破天荒キャラ"など、豪快で無茶をする人を「破天荒」と呼ぶことが増えているけど、実際のところは?

「唐の時代の荊州(現在の湖北省)は、官吏登用試験の合格者が1名も出なかったことから"天荒"(=未開の荒れ地)と呼ばれていました。その土地出身の劉蛻という人物が試験に初めて合格したときに、"天荒を破った"といわれ、それ以来、誰も成し遂げたことのない偉業を達成することを"破天荒"と呼ぶようになったのです」

前のエントリーで「破天荒」と書いたのだけど、意味は合ってるのかなと調べてみたらこうだった。元は「成し遂げたことのない偉業を達成する」という意味だったらしいが、今はそうじゃないよね。豪快に無茶するって意味で使って大丈夫よね?ね?

他にも「失笑」とか「舌づつみ」とか。

<同じ間違いを繰り返すなんて、失笑もんだよ>

 例文の「失笑」は、「笑いも出ないくらいあきれる」という意味で使用されているが、これは誤用。「失笑」の本来の意味は、笑ってはいけない場面などで、こらえきれずにうっかり笑ってしまうこと。しかし今回の調査では、「あきれる」という意味で捉えていた人の割合は60.4%にものぼり、かなり広い範囲で誤用が進んでいる。

「"失笑を買う"という、愚かな言動を繰り返して笑われる様子を表す慣用句があるので、あきれた行為を"失笑する"と言ってしまうのでしょう」

<久しぶりのご馳走に、舌づつみを打った夜だった>

 漢字で表記すると「舌鼓」となるように、正しくは「舌つづみ」。腹太鼓を意味する「腹鼓」も「はらづつみ」と読まれがちだが、こちらも正しくは「はらつづみ」だ。

「"つづみ"が言いやすい"づつみ"という言葉に変化するように、音の順番が入れ替わることを、"音位転倒"といいます。"山茶花"(さんざか)と書いて、"さざんか"と読むようになったのと同じですね」

 他にも、音が入れ替わった言葉として、「新しい」や「だらしない」がある。

「江戸時代には"逆さ言葉"というものが流行り、それが一般に広まったという説があります。"新しい"は本来、"あらた・しい"と読んだのですが、粋がった江戸っ子が"あたら・しい"と。同様に、きちんとしていないという意味の"しだら・ない"を"だらし・ない"としたのです」

「ご愁傷様」とか、本来の意味で使われなくなった言葉っていっぱいありますよね。