反戦キャシャーン

キャシャーンの映画見に行った。よく、「数々のファッション誌やミュージックビデオなどを手がけてきたビジュアル・クリエイター」と紹介されてる紀里谷和明氏、あの宇多田の旦那が監督って、実力はどんなんかな~。子供の頃かぶりつきで見てた世代なので、キャシャーンをどう実写でアレンジしてくれたのか?そのへんに注目して行きました。

映像的には使い古された感があるスチームパンク風ですが、やな感じの未来風が綺麗でおもしろい。色合いや画面構成の美しさが凝ってますね。このへんはさすが、ビジュアル・クリエイター紀里谷和明氏(宇多田の旦那)といったところですか。コスチュームとか、ロボットのデザインも原作のイメージをしっかり残しつつアレンジしてて、アニメキャシャーンで見た、ロボットを手刀で縦に真っ二つとか、頭をもぎ取ってぶん投げたりとか、しっかり再現してくれてます。(しかし、ロボットが行進して人形を踏みつけるとか、下水道の格子から上を見上げてのカットが無かったぞ!)アクションのテンポは小気味よくて気持ち良いんですが、全編の中ではちょっとしか無いのが残念。

役者が美男美女揃いでいいんですが、さほど個性がないのと映像が暗かったりするんで見分けがつかなかったり。唐沢と宮迫はすぐわかるんですが。あと、思いの外かなりの反戦映画で、戦争の狂気・残酷さとかのえげつない表現がいっぱいで食傷気味。まぁ、イラクとかいろいろあるご時勢なのでそういうの表現したいのわかるんだけど、なんだかなぁ。実際の戦争の犠牲者の映像が少し入っていたけど、中途半端にまぜるくらいなら、いらない。ビジュアル・クリエイターだったら、自作のビジュアルで勝負してよ。とりあえずこの映画、お子様に見せるのはおすすめできないです。昔のアニメ世代のお父さんが子供と一緒に俺のヒーローを見るぞー!ってな感じで行ったとしたら、悲惨かも。実際、途中で帰っちゃう客がちらほらと。

そして、ちと長い。上映時間が2時間21分なので、トイレを済ませておきましょう。映画の暗さと重さ…それらと尿意が相まって、とても辛いひと時となるかもしれません。