おじさんと犬

仕事の帰り、犬と散歩しているおじさんを見かけた。おじさんはスウェットの上下を着込み、運動がてら犬の散歩といった様子。犬は中型の成犬。洋種の血が入った雑種のようで、耳がたれている。

おじさんたちは大きな交差点の向こう側で信号待ち。犬は車道にはみ出してちょこんと座っていた。リードでつながれてはいるけど、ちょっと危ない。

おじさんもそれに気がついたようだ。犬にちょいちょい、と手招きをした。そしたら、犬はすっと立って歩道に入り、おじさんのすぐ横に座りなおした。

犬ってこんな静かな意思も通じるんだ。甘えるとか褒めるとかもなく、とても自然な流れ。一人と一匹は、信号が変わるとすぐに去って行き、間近に見ることはできなかった。