惑星大怪獣ネガドンの感想

惑星大怪獣ネガドンを見た。昔の特撮映画の再現がもう、笑いがこぼれるくらいの凝りよう。なんでもないワンカットひとつに、なにかしらの特撮イズムが潜んでいる。子供の頃に東映の特撮映画を見たことのある人は、より楽しめそうだ。

ストーリーには期待しない方がいい...というか、そんなもの求めても意味が無い。派手なアクションシーンにはもちろん、前半の静かな導入部にも特撮ポイント満載。電線だらけの町、ちゃぶ台の湯飲み、首を振る扇風機、電灯に舞う蛾、ノズルの発炎筒な炎、有線のロケットパンチ、青くて星がチカチカする宇宙...容赦の無い濃密さ。こりゃ、25分というボリュームは丁度いいのかもしれない。

自分はとても楽しめたのだけど、皆が楽しめるのかどうかは分からない。興味のない人は、くだらないと思うのかもしれない。その"くだらない"にどれだけの情熱が傾けられているか。それが楽しめる人にとって、驚愕の作品なのは間違いない。

見る側のスタンスとしては、あくまでも「素人作品」として見た方が楽しめるんじゃないかと思う。素人がTV番組に応募したコマ撮りアニメーション、そういったものを楽しむ感覚で見て欲しい。とうてい素人レベルでない作品だけど、見る心構えとしてはそのくらいが良さげ。分かる人には分かる。そんな貴兄におすすめ。