黒造

休日に電車に乗ったら、高校生くらいの女の子二人連れが目の前にいた。一人は携帯をいじっている。しばらくして、画面を友達に向けた。

「これ見て。」
「あ、それ嫌いやねん。怖いし。」
「あら、そうなん?これ、なんていったっけ?」
「なんやったっけ?」

…なんだろう。こちらからは画面が見えない。

「子供の頃、夜中にやってたよなぁ。」
「夜中やったっけ?子供の頃やから、夜中に感じたんかもしれんけど。」
「そうかもしらんなぁ。なんやったかなぁ。黒なんとかちゃうかった?」
「黒、黒…」

…深夜に再放送してたアニメか何かかな?

「なんか、すごい悪いことする人やったっけ?」
「いや、悪いことではないんやけど、ひどいことになるんちゃうかった?」

…笑ゥせえるすまん?

「黒造!そんなんちゃうかった?」
「ああ、そう!黒造やわ!」
「黒造で探してみよ~」

…喪黒福造なんだけどな。なにやら携帯をいじり始めた。黒造で検索かけても引っかからないと思うけどなぁ。