懺悔

告白します。あれは、中学生の時のことです。休日に自転車をきれいに洗って油をさし、タイヤに空気を入れました。さぁ、どんなに気持ちよく走れるだろうか?と、家のある一画を一回り。「おお、ペダルが軽々とこげる!」自分のメンテナンスによって快適に走ることができ、有頂天になったバカは、どんどんスピードを上げていったのです。

かなりのスピードに達していたそこへ、10mほど手前だったでしょうか、左側の塀から猫が飛び降りて来たのです。ブレーキに手をかけようとした瞬間、猫はこちらに気がついて機敏に駆け出し、渡りきって進路からはずれました。ほっとして、そのまま速度を緩めないでいたら、同じところから2匹目が飛び降りてきたのです!

1匹目に続いて、用心もせずに降りてきたのでしょう、2匹目はこちらに気づきませんでした。そのときはもう手前2mくらいで、ブレーキをかけても止まれません。ハンドルを右に切って避けましたが、前輪が猫の鼻先をかすめるくらいのギリギリ。前輪は避けても、まだ後輪があったのです。

とっさに左足を出し、足の甲で猫の腹をすくい上げて後輪に巻き込まれないように引きずりました。「ぎにゃーーーっ!」 バリバリバリバリー! 悲鳴とともに、爪をアスファルトに立てるすごい音がしました。5~6mほど引きずって自転車が止まった瞬間、猫はすぐに駆け出してどこかに行ってしまいました。

ひき殺さないで済んだけど、あれは爪痛めてるでしょう。足の甲にあたった猫のやわらかいおなかの感触、今でも忘れられません・・・ お許しください。