人身事故の続き

前回からの続き。(→人身事故)

乗客に不安を与えないようにとの配慮か、時々放送で現状報告してくれるナリ。

「えー、ただいま、後続の列車から入った連絡によりますと、踏み切り付近で遺体を確認したとのことで、本列車の故障の原因は人身事故であることがほぼ確実ということです。現場の検証等もあり、運行の再開にはもうしばらくかかるかと思われます。大変ご迷惑をおかけしますが、もうしばらくお待ちいただきますよう、よろしくお願いいたします。」

うへぇ。あまり聞きたくない内容だったナリよ。そして、蒸し暑い車内での立ちっぱなしを我慢すること30分を過ぎたあたりで、うって変わった明るい声で車掌さんのアナウンスが流れたナリ。

「ただいま運行管理センターから連絡があり、乗客の皆様にホームへ降りていただく許可が下りました!ホームにかかっております最後尾の車両の扉を手動で開きますので、落ち着いて順番に最後尾の列車まで移動をお願いいたします。」

ワガハイは最後尾の車両に乗っていたので、車掌さんが手動で扉を開くのを目の前で見ることができたナリよ。ふむふむ、そこをそう開けて、そこをそうするナリか・・・カギ穴はあるのに、カギを使わないナリよ。今後、電車に乗っていて何か緊急な事態が発生したら、自分で開けられそうナリよ。

乗客の中でも最初の方に車内から開放されたので、後から降りてくる乗客の邪魔にならないよう、ホームの端まで歩いたナリ。降りたものの、列車が動かないことにはお家に帰れないナリ・・・しばらく北風吹きすさぶホームに震えて立っていたら、降りてくる乗客の後のほうは改札に向かっているナリ。
んん?なんでナリ?と思っていたら、ホームに放送が入り、私鉄の駅がすぐ近くにあるということで、代行運転されるらしいナリ。
車内の方では先に放送が入っていたナリね。ホームの方ではそれは聞こえないナリ。早く教えて欲しいナリ。

改札で代行運転票というのをもらい、私鉄の駅まで数分歩き、票と定期券を見せて改札を通過するナリ。票は駅を降りるときに改札で回収されるナリ。ははぁ、あれでどれだけの人間が乗ったのか集計し、料金をJRに請求するのナリね。JRはそれを事故の原因となった人に請求すると思われるナリ。
列車への飛び込み自殺は、鉄道会社への賠償金がものすごい額になるという話を聞いたことがあるナリが、なんとなく実感できたナリよ。

今回の事故で亡くなった方はどんな人で、どんな理由で事故にあったのかは結局分からなかったナリ。家に帰ってから翌日までニュースを注意して見ていたナリが、全然報道されなかったナリ。日常にありふれた事件で、あまりニュース性は無いのかもしれないナリねぇ。